東西文明をつなぐ道としてのシルクロードは、長安(=現在の西安)を出発してアジアを西に橫斷し、ペルシャ、ローマを経てヨーロッパに通じている。中國と地中海世界を結ぶ歴史的かつ主要な貿易路は、夢とロマンが詰まった道である。人々は夢や富を求め、はるかなるシルクロードを歩いてきた。
■鳴沙山(めいさざん)
鳴沙山は、シルクロードの分岐點として栄えたオアシス都市?敦煌から南に約7キロメートル離れた場所に位置する。東西約40キロメートル、南北約20キロメートルにわたって高さ數十メートルの砂山が広がる中國四大 “鳴き砂”の1つで、シルクロードで最も美しい砂丘とも言われている。赤?黃?黒?橙と4色の砂粒でできており、光の當たり具合によってその表情を変える。風が吹くと砂が「ゴーゴー」と雷のように音を立てて鳴ることから「鳴沙山」と名付けられた。
砂丘に一歩足を踏み入れると、そこには神秘的な空間が広がる。どこまでも広がる砂丘はその美しさと同時に、大自然の恐ろしさも見せてくれる。少し風が出てくると、米粒ほどの大きさの砂粒は容赦なく顔をたたきつけ、その足跡はあっという間に消し去られてしまう。夕暮れ時が最も美しく、夕日に照らされた鳴沙山は黃金色に輝き、緩やかな曲線の光と影が相まって幻想的な美しさが顔を出す。
■月牙泉(げつがせん)
鳴沙山の麓には不思議な泉がある。三日月狀をしていることから「月牙泉」と呼ばれ、2000年以上も前から現在に至るまで絶え間なく湧き続けている。その神秘さから、漢代には早くも観光地となり、唐代には遊覧船が浮かべられたという。漢の武帝が天馬を得た池でるという言い伝えもあり、岸辺には寺院や古い建物が數多く存在し、古くから線香が絶えることがなく、多くの詩にも歌われている。