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中國唐代の詩人、白居易は日本人に最も愛された詩人である。平易を特徴とし、平安時代の貴族社會に広く浸透した。當時の日本文學に多大な影響を與え、多くの文學作品にその影を目にすることができる。今回は白居易ゆかりの地、詩に詠われた風景をご紹介したい。
■華清池(かせいち)
西安から東に30キロ離れた所に、華清池は位置する。唐代(618年~907年)の皇帝玄宗はここに豪勢な離宮「華清宮」(かせいぐう)を建て、その寵妃楊貴妃(ようきひ)と享楽の日々を送ったエピソードは有名だ?!搁L恨歌」(ちょうごんか)の中にも「春寒くして浴を賜ふ華清の池」と登場しており、楊貴妃と玄宗皇帝がここで宴會と歌舞に明け暮れて政治を顧みない様子が描かれている。楊貴妃のために作られた海棠湯(かいどうゆ)という専用の浴室の跡は今でも目にすることができる。華清池は今でも溫泉がわき続けており、観光客はここで楊貴妃が愛した溫泉に浸かることができる。
中國江西省にある廬山は雲に覆われた幻想的な山々、泉や滝、奇石などが分布し、その獨特の景色は數々の文人墨客を魅了してきた。日本人にとって、廬山の香爐峰は最も良く知られた峰であろう。白居易はかつて廬山に「廬山草堂」(ろざんさうだう)を築き、ここで詩を創作した。詩の一節、「香爐峰の雪は簾を撥げて看る」は清少納言の「枕草子」の有名な一節、「少納言よ 香爐峰の雪いかならん」と仰せらるれば、御格子上げさせて、御簾(みす)を高く上げたれば、笑はせ給ふ?!工摔猡饯斡挨蛞姢毪长趣扦?、白居易が當時の平安貴族社會へ與えた影響の大きさを窺える。
■洛陽(らくよう)
白居易は現在、河南省洛陽市の郊外にある香山と呼ばれる小山の「白園」に眠っている。晩年の彼は洛陽の風景をこよなく愛し、ここで18年過ごした。白居易は仏教徒としても著名で、龍門の香山寺に隠棲し、香山居士と號して多くの禪僧と交流をもった。香山と河を隔てたところに、中國三大石窟のひとつ、「龍門石窟」(りゅうもんせっくつ)がある。北魏(386年~534年)の孝文帝から造営が始められ、歴代王朝が400年以上も渡って創り続けてきた。長さ約1キロメートルにわたって造られた石窟群の仏像の総數は約10萬體あり、仏教蕓術の寶庫と言われている。洛陽を訪れる際には、ぜひ白居易が愛した風景を眺めたい。
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