中國には漢民族をはじめとした合計56の民族があり、各民族の伝統、文化、習慣がそれぞれ異なっている。さまざまな少數民族固有の文化に觸れることも中國観光の楽しみだと言えよう。今回は花の國、貴州の地に住む少數民族をご紹介する。
貴州は中國南西部に位置し、多數の民族が集まっている。貴州高原にあり、山水景色、カルスト地形、野生動植物のことから、「天然公園」と呼ばれる。最大の見どころはやはり少數民族の集落である。貴州省の少數民族は、今でも原始的かつ神秘的な民族文化をそのままに保有している。伝統的な祭りがよく受け継がれて、その多彩な民族風情、深みのある文化を世界に再現できる。
ミャオ族は主に、貴州高原の山間盆地や斜面に集落を営む。棚田(たなだ)を巧妙に作って稲作を行う定著した人々が多い。自然に恵まれ、様々な漢方薬材の栽培にもたずさわっている。日常生活は、靜かで穏やかである。しかし、お客さんが來たら、ニワトリをつぶしたり、魚を獲ったりして豊かな料理でもてなす。米の酒、地元のハム、腰かけ踴り、蘆笙踴り(ろしょうおどり)などが、観光客を感動させる。
もっとも盛大な年中行事は、ミャオ族の新年である。彼らは、自らの暦を使い、10月、11月、12月新年を3度祝う。新年を迎えるために、家々でお餅「ツーバー」(もち米だんご)をつき、ブタを絞り、「凍り魚」も作る。また、鶏、鴨、魚、豚肉、お餅を祖先に供える。祭りのとき、みんなで蘆笙踴り、銅鼓(どうこ)踴りを踴るほか、闘牛も行われる。
もう一つの重要な祭りは舊暦3月15日前後の姉妹祭りである。ミャオ族の少女たちが、華麗な民族衣裝を著て、手に色とりどりの、糯米を盛る竹で編んだかごを提げて、若者たちと一緒にピクニックに行き、一問一答形式で歌う。若者たちに愛の告白をするいいチャンスである。そのゆえ、最も古い「東方バレンタインデー」と呼ばれる。
トン族山間部から河谷平野部にかけて、産業は水田耕作を中心に雑穀やトウモロコシやを油茶作る農業や林業であるが、女性は綿の栽培にも長じており、染色や織物を行う。トン族の人たちは誰もが歌を歌うことができる。村の中の鼓樓と風雨橋等伝統な木造建築はは有名な観光スポットとして、世界にも知られる。飲食は、もち米を主食とし、。油茶という食べ物を作り、つけもの、酸肉、酸魚など発酵食品がもある。
トン族の伝統祝日にはトン族新年、吃新節(豊作を祈願する伝統的なお祭り)、花炮節(花火大會)、闘牛節などがある。新年の時は、人々はお粥を食べる。來年は天候が順調し、五穀豊穣が取れるということを祈る。吃新節というのは早稲の収穫の後、家々で新米を食べ、祖先に奉納する祭りである。そのときには歌や演劇、闘牛などのイベントが行われる。祭りの娘たちは黒を基調に、華やかな色合いの服を著て、銀の裝飾品で頭に飾る。その民族風情の美しさが完璧に表現できる。