中國の絶景2 仙人が住む奇山 黃山
中國の悠久の大地に點在する風光明媚な名所、人間の秘境。大自然が作り出した奇跡の絶景。人の心を打つような絶景。シリーズ「中國の絶景」、第１回は「黃山」をご紹介する。
中國安徽省にある景勝地、黃山は中國一の名山で、古くから「黃山を見ずして、山を見たというなかれ」、「中國人なら一度は登りたい山」と言われている。1985年に中國十大名勝地に選ばれ、1990年に複合遺産としてユネスコ世界遺産に登録され、世界的にもその自然景観と文化価値の評価は高い。
黃山は、獨立した一つの山ではない。黃山とは、蓮花峰、光明頂、天都峰の三大主峰を中心に、70を超える群峰の総稱である。年間三分の二は霧と雲で覆われており、別名黃海とも呼ばれ、伝説上の皇帝?黃帝がこの地で仙人になったという伝説が殘されている。これが黃山と名付けられた所以だ。黃山は全山花崗巖でできており、そ太古の昔は海底であったと考えられている。
黃山ではやはり、自然景観を楽しむことがメインになるだろう。様々な形の切り立った巖山に生える松の木、雲海といわれる山にかかる雲の景色と、その麓にある溫泉は古來より奇松?怪石?雲海?溫泉の「黃山四絶」として名高い。４つの景観がそれぞれ複合し、峰と雲が織りなす獨特の景観は伝説の仙境を彷彿させ、古くから多くの詩人?畫家などの文人が黃山に憧れ、訪れてきた。黃山を題材にした水墨畫、漢詩などは中國獨自の文化の育みを支えてきたとも言える。
山頂付近には山小屋があり、黃山を訪れるのなら、山頂で一泊してご來光を観賞するのがお勧めだ。雲の隙間から太陽の光が挿しかかり、オレンジ色の朝焼けと峰のシルエットの共演は息を呑むほどに美しい。仙人が住むと言われる黃山、この景色を見たら、ここならに本當に仙人がいるかもしれないと納得するはずだ。