中國(guó)における清明は24節(jié)気の一つであり、毎年西暦の4月5日前後に訪れる。春を迎え、天地が明るく、清らかになるため「清明」と呼ばれる。この日は現(xiàn)在中國(guó)では、國(guó)家が定める祝日となっている。一般的な漢民族の清明節(jié)は、親族一同でお供え物と紙銭を攜えて墓參りをする。あの世で金に困らないよう想いをこめて紙銭を燃やし、墓掃除をした後、最後はお供え物を食べて帰途に就くのだ。だが、一口に清明節(jié)といっても、地域や民族によっては風(fēng)習(xí)が違う。中國(guó)では漢民族以外にも24の少數(shù)民族が清明節(jié)に墓參りをしている。今回はそんな少數(shù)民族の清明節(jié)を幾つかご紹介したい。
■血酒を飲み、生贄を祖先に捧げるミャオ族
雲(yún)南地方の山奧に多く住むミャオ族の清明節(jié)は少々荒々しい。清明節(jié)は外祭りと內(nèi)祭りの二段階に分けられ、外祭りは吉日に墓地にて行われる。親族一同で墓掃除をした後、主催者の男性が用意された生きた牛、羊、豚、鶏、鴨などの動(dòng)物をその場(chǎng)で生贄として捌くのだ。捌かれた動(dòng)物から血を抜き、その血液を酒と混ぜてみんなで飲む。肉はその場(chǎng)で塩ゆでにし、ゆで肉と酒などを供えたら、主催者がミャオ族の歴史、祖先の功績(jī)、子孫の感謝などを唱え、最後に、最後に杯を挙げ、「アイヤ!」と叫び、儀式が終了する。
外祭りとは別に、內(nèi)祭りは家の中で行う。儀式で塩ゆでにした動(dòng)物の頭部を家へ持ち帰り、用意した門前の火を跨いで厄払いをする。持ち帰った料理をかまどの近くに置き、主催者がお香を焚いて紙銭を燃やす。祭り詩を朗読した後、親族一同追悼の意を述べ、祭りが終わる。儀式の後はお供えに使用した肉、酒、菓子などを親族一同で食べ、宴會(huì)となるのだ。
■柳の枝を挿す満州族
満州族には、ほかの民族のように紙銭を燃やす習(xí)慣がない。満州族の墓はほぼ山のふもとにある。清明節(jié)になると、墓の上には柳の枝が挿される。枝の數(shù)はその家の息子の數(shù)だけ表しており、柳の枝の數(shù)が多いほど子孫が繁栄していて、その家は栄えるといわれている。柳の枝はまた金のなる木と思われ、柳の枝を挿すということは金のなる木を植えることになる。満州族の清明節(jié)にはいくつか食べなければいけないものがある。たとえば、卵や豆を食べないと貧乏になると思われ、そのため清明節(jié)には卵や豆腐、春餅といわれる柔らかいナンに似たパン生地に野菜を巻いたものを食べる。
■ネットで墓參り
死者への追悼の仕方はさまざまだが、近年インターネットを使った墓參りが中國(guó)でも人気だ。ネットを使った墓參りの利點(diǎn)はいつでも、どこでも手軽にできることだ。中國(guó)では地域や民族によって墓參りの習(xí)慣は異なるが、紙銭や物を燃やしたりすることが多い。そのため手軽で、環(huán)境に影響を及ぼさず、更に火災(zāi)予防の観點(diǎn)から追悼サイトを使った墓參りが急速に発展している?,F(xiàn)在中國(guó)では様々なサイトで完全無料から年間數(shù)千円程度で利用することができる。サイト上で自分だけの「記念館」を作り、故人の情報(bào)を登録すれば、線香から酒、爆竹、お供え、読経など、現(xiàn)実さながらにお參りすることができる。時(shí)代の進(jìn)化と共に追悼の方法も変わったが、故人への想いは変わらない。