<中國旅游> シリーズ「中國の世界遺産」―峨眉山と楽山大仏(複合遺産)
中國は言わずと知れた世界遺産の寶庫である。2011年までに文化遺産、自然遺産及び複合遺産合わせて38の遺産がユネスコの世界遺産として登録された。シリーズ「中國の世界遺産」、第一回は「峨眉山と楽山大仏」をご紹介する。
仏教の聖地 峨眉山と楽山大仏
中國の西南部、四川省にある峨眉山(標高3,099メートル)と楽山大仏(803年)は1996年、その文化面、環境面の雙方から考慮され、2つ合わせてユネスコ世界遺産(複合遺産)として登録された。
■仏教の聖地 峨眉山
峨眉山は古來より中國仏教四大名山の一つとして數えられ、山內には普賢菩薩を祀っている「萬年寺」をはじめ26の寺が建ち、年中參拝客でにぎわっている。
仏教の聖地とされていたため、寺院の建設は後漢時代より始まり、南宋時代に最盛期を迎えたが、大規模な開発は行われなかった。そのため手付かずの自然が守られ、約3000種を超える植物と絶滅危懼種を含む約2000數種の動物が生息し、動植物の寶庫となっている。
観光で行ける一番高い山頂スポット、「金頂」からみる日の出、たなびく雲海は絶景で、特に雲海に映った人の影の周りに光の輪ができる仏光と呼ばれる現象を見ることができる人は幸せになれるといわれる。
■楽山大仏
成都から南に約164キロメートル離れた場所、楽山市の凌雲山の上にある楽山大仏は高さ71メートルの巨大磨巖仏である。この辺りは岷江、青衣江、大渡という三つの大きな川が合流し、昔から洪水が頻発していた。713年、凌雲山にある凌雲寺の僧海通は、洪水が頻発するのは川の中に妖怪がいるためだと考え、その妖怪を鎮めるために巖に石像を彫り始めた。洪水を止め、船の安全を願うために約90年の歳月をかけて803年、大仏はついに完成した。完成當初の大仏は全身を金箔と彩色で飾られ、十三重の木造樓閣に覆われていたと伝えられる。「仏は一つの山、山は一體の仏」といわれるように、そのスケールの大きさは観る人を圧巻とさせる。アフガニスタンにあるバーミヤンの大仏が破壊された今、楽山大仏は世界最大、最古の古仏である。
世界遺産登録日 1996年
世界遺産登録名 峨眉山と楽山大仏(がびさんとらくさんだいぶつ)
世界遺産類別 複合遺産
アクセス 中國四川省 成都から南約160キロ